年賀状を出し忘れたまま松の内を過ぎてしまい、「どうしよう」と迷った経験はありませんか。
そんな時に役立つのが「寒中見舞い」です。
寒中見舞いは、冬の寒い時期に相手の様子を気遣う挨拶状で、遅れたご挨拶やお詫びを丁寧に伝えることができます。
この記事では、寒中見舞いの意味や出す時期、そしてすぐに使える豊富な例文をわかりやすく紹介します。
年賀状を出し忘れても誠意が伝わる文章とマナーを身につけて、失礼のない新年の挨拶を届けましょう。
寒中見舞いとは?年賀状を出し忘れた時に役立つ挨拶状
寒中見舞いは、冬の最も寒い時期に相手の様子を気遣うための挨拶状です。
年賀状を出し忘れた場合にも活用できる便利な手段として、多くの人に親しまれています。
ここでは、寒中見舞いの基本的な意味や目的、そして年賀状との違いについて分かりやすく紹介します。
寒中見舞いの意味と目的
寒中見舞いとは、冬の寒さが厳しい「寒中(1月8日ごろ〜2月3日ごろ)」に相手の近況をうかがい、気遣いの気持ちを伝えるための便りです。
「寒中お見舞い申し上げます」という一文から始めるのが一般的で、形式よりも心を込めた文章が重視されます。
この挨拶状は、相手の暮らしを思いやる“やさしい手紙文化”のひとつとして、日本では長く受け継がれてきました。
| 名称 | 意味 |
|---|---|
| 寒中見舞い | 寒さの中、相手を気遣う挨拶状 |
| 暑中見舞い | 夏の暑い時期に送る挨拶状 |
年賀状との違いをわかりやすく解説
年賀状は「新年を祝う」意味がありますが、寒中見舞いにはお祝いの要素はありません。
むしろ、年始のご挨拶ができなかった際の「お詫びと気遣い」を伝える便りとして使われます。
そのため、「おめでとうございます」などのお祝いの言葉は入れないのがマナーです。
| 項目 | 年賀状 | 寒中見舞い |
|---|---|---|
| 目的 | 新年を祝う | 相手を気遣う |
| 送る時期 | 1月1日〜7日 | 1月8日〜2月3日 |
| 文体 | 華やか・祝福的 | 落ち着いた・丁寧 |
いつからいつまで出せる?寒中見舞いの時期
寒中見舞いを出す時期は、一般的に「松の内(1月7日)」が終わった翌日の1月8日から、立春の前日(2月3日または4日)までとされています。
この期間に送ることで、暦の上での季節感を大切にした礼儀ある挨拶となります。
2月4日を過ぎると「余寒見舞い」として出すのが正しいマナーなので、出すタイミングにも注意しましょう。
| 期間 | 挨拶状の種類 |
|---|---|
| 1月1日〜7日 | 年賀状 |
| 1月8日〜2月3日 | 寒中見舞い |
| 2月4日以降 | 余寒見舞い |
まとめると、寒中見舞いは“冬の思いやりを届ける手紙”ともいえる存在です。
年賀状を出し忘れたときだけでなく、ゆったりと相手を思う気持ちを伝えたい時にもぴったりです。
年賀状を出し忘れた時に寒中見舞いを送るべき理由
うっかり年賀状を出し忘れてしまったとき、「今さら出すのも気まずい」と感じた経験はありませんか。
そんな時こそ、寒中見舞いがやさしくフォローしてくれる頼もしい存在です。
ここでは、なぜ年賀状の代わりに寒中見舞いを送ると良いのか、その理由を具体的に見ていきましょう。
寒中見舞いが「遅れた年賀状」として使える根拠
寒中見舞いは、松の内(1月7日まで)を過ぎてから送る季節の挨拶状です。
つまり「新年おめでとうございます」というお祝いの言葉を避けつつ、遅れたご挨拶を丁寧に伝えることができます。
“遅れたけれど礼を欠かさない”という誠意を伝えられる点が、寒中見舞いの大きな魅力です。
| 送付の目的 | 適した挨拶状 |
|---|---|
| 新年を祝う | 年賀状 |
| 松の内を過ぎた後の挨拶 | 寒中見舞い |
| 立春を過ぎた後 | 余寒見舞い |
出し忘れをフォローできる丁寧な伝え方
年賀状を出し忘れたときに大切なのは、「遅れた理由を詳しく説明する」よりも「相手への心配りを伝える」ことです。
言い訳よりも思いやりを優先すると、自然で感じのよい印象になります。
例えば次のように書くと、控えめで礼儀正しい表現になります。
短めの例文:
寒中お見舞い申し上げます。
新年のご挨拶が遅れまして申し訳ございません。
寒さの折、ご健勝にお過ごしのことと存じます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
フルバージョンの例文:
〇〇様
寒中お見舞い申し上げます。
松の内も過ぎてしまい、新年のご挨拶が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。
こちらでは穏やかに日々を過ごしております。
まだしばらく寒さが続くようですので、お体に気をつけてお過ごしください。
本年も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
令和〇年一月 〇〇(あなたの名前)
フルバージョンでは、宛名・日付・署名を入れることでより正式な印象になります。
| 表現のポイント | 良い例 | 避けたい例 |
|---|---|---|
| 謝罪 | ご挨拶が遅れまして申し訳ございません。 | 忙しくて出せませんでした。 |
| 結び | お体を大切にお過ごしください。 | 寒いですが頑張ってください。 |
ビジネス・友人・親戚別の印象の違い
寒中見舞いは相手との関係性によって、少し表現を変えるのがポイントです。
ビジネスではフォーマルに、友人や親戚にはやわらかい言葉でまとめましょう。
| 相手の関係 | 文体の特徴 | 例文ポイント |
|---|---|---|
| ビジネス | 敬語を使い、丁寧な文章にする | 「ご健勝とご発展をお祈り申し上げます」など |
| 友人 | 少しカジュアルで温かみのある表現 | 「最近はいかがお過ごしですか」など |
| 親戚 | やや柔らかく、近況報告を添える | 「こちらでは皆元気にしています」など |
どんな相手にも共通するのは、“遅れても誠実な気持ちで伝える”こと。
年賀状を出し忘れても、心のこもった寒中見舞いを送ることで、関係をより温かく保てます。
目的別に見る寒中見舞いの例文集
寒中見舞いは、相手との関係や状況によって文面を少し変えることで、より気持ちが伝わります。
ここでは、一般的なものから年賀状を出し忘れた場合、さらに喪中やビジネス向けなど、目的別に使える例文を紹介します。
すぐに使えるフルバージョンの例文も用意しているので、そのまま書き写しても安心です。
一般的な寒中見舞いの例文
まずは基本となる一般的な文例です。
親しい方やお世話になった方に送るときに使いやすい表現になっています。
短文例:
寒中お見舞い申し上げます。
寒さ厳しき折、いかがお過ごしでしょうか。
こちらでは穏やかに日々を過ごしております。
まだ寒い日が続きますので、どうぞご自愛ください。
フルバージョン:
〇〇様
寒中お見舞い申し上げます。
寒さの厳しい季節となりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
私どもは変わらず元気に過ごしております。
まだしばらく寒い日が続きますので、どうぞ体調にお気をつけてお過ごしください。
これからもよろしくお願いいたします。
令和〇年一月 〇〇(あなたの名前)
| 文面の特徴 | ポイント |
|---|---|
| 穏やかで丁寧 | 季節の挨拶+相手を気遣う言葉 |
| 汎用性が高い | どんな相手にも使える |
年賀状を出し忘れた時の寒中見舞い例文
年賀状を出し忘れた場合は、軽いお詫びの気持ちを添えると丁寧です。
ただし「忘れた」という言葉は避け、自然に伝えるのがポイントです。
短文例:
寒中お見舞い申し上げます。
新年のご挨拶が遅れましたことをお詫び申し上げます。
寒さ厳しき折、どうぞお体を大切にお過ごしください。
フルバージョン:
〇〇様
寒中お見舞い申し上げます。
新年のご挨拶が遅れまして申し訳ございません。
お変わりなくお過ごしでしょうか。
こちらでは穏やかな日々を過ごしております。
まだ寒い日が続きますので、どうぞお体をおいといください。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
令和〇年一月 〇〇(あなたの名前)
| ポイント | 説明 |
|---|---|
| 謝罪表現 | 軽く触れる程度で十分 |
| 結びの言葉 | 「お体をおいといください」など柔らかい表現 |
喪中の方に送る寒中見舞い
喪中の方には、お祝いの言葉を避けつつ、穏やかな文章で相手を気遣います。
「お悔やみ」よりも「お体をおいといください」といった優しい表現を選ぶと安心です。
短文例:
寒中お見舞い申し上げます。
ご服喪の折、お変わりなくお過ごしでしょうか。
まだ寒い日が続きますので、どうぞお体を大切にお過ごしください。
フルバージョン:
〇〇様
寒中お見舞い申し上げます。
ご服喪の折、年始のご挨拶を控えさせていただきました。
皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
寒さが続く時期ですので、くれぐれもお体をお大事になさってください。
令和〇年一月 〇〇(あなたの名前)
| 文体 | 注意点 |
|---|---|
| 落ち着いた丁寧な表現 | お祝い・感嘆語を使わない |
| 相手を思いやる内容 | 「ご自愛ください」などで締める |
ビジネス向けのフォーマルな文例
取引先や上司など、ビジネス関係の相手に送る場合は、誠実で端的な言葉遣いを心がけましょう。
短文例:
寒中お見舞い申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
今後とも変わらぬご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
フルバージョン:
株式会社〇〇
〇〇部 〇〇様
寒中お見舞い申し上げます。
平素より格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございます。
松の内を過ぎてのご挨拶となり恐縮ではございますが、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
本年も変わらぬご高配を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
令和〇年一月 〇〇株式会社 〇〇(あなたの名前)
| 相手 | 文体の特徴 | ポイント |
|---|---|---|
| 取引先 | 敬語中心・形式的 | 冒頭でお礼を述べる |
| 上司 | 丁寧な語調・簡潔 | 挨拶を控えめにまとめる |
相手や目的に合わせて、言葉を選ぶだけで印象は大きく変わります。
フルバージョンをそのまま使うのも良いですが、自分の言葉に置き換えることで、より温かみが生まれます。
寒中見舞いを書く時に気をつけたいマナー
寒中見舞いは形式よりも気持ちが大切ですが、基本的なマナーを守ることでより丁寧な印象を与えられます。
ここでは、頭語や句読点の使い方、避けたい表現、そして書き方のスタイルについてわかりやすく紹介します。
少しの気配りで「大人の礼儀」が伝わるのが寒中見舞いの魅力です。
句読点・頭語・結語の使い方
寒中見舞いでは「拝啓」「敬具」などの頭語や結語は使いません。
代わりに、「寒中お見舞い申し上げます」という挨拶文で始めるのが基本です。
また、文中には句読点(、や。)を使わず、文と文の間を一文字空ける書き方もよく使われます。
これは、古くからの慣習であり、全体を柔らかく上品に見せる効果があります。
| 要素 | 寒中見舞いでの扱い |
|---|---|
| 頭語(拝啓など) | 使用しない |
| 結語(敬具など) | 使用しない |
| 句読点 | 使わず一文字空けるのが一般的 |
避けるべき言葉と文体のポイント
寒中見舞いは、年賀状のような「おめでたい言葉」を使わないのがマナーです。
「おめでとうございます」「ご多幸をお祈りします」などのお祝い表現は避けましょう。
特に、喪中の方へ送る場合はお祝いを連想させる語句は控えることが大切です。
また、過度にカジュアルな表現や絵文字の使用も避け、落ち着いたトーンでまとめます。
| 避ける表現 | 適切な言い換え |
|---|---|
| あけましておめでとうございます | 新しい年を迎えられましたね |
| お祝い申し上げます | ご健勝をお祈り申し上げます |
| 笑顔あふれる一年を | 穏やかな日々をお過ごしください |
手書きと印刷、どちらが好印象?
近年はパソコンやスマートフォンで作成した寒中見舞いも増えていますが、相手に気持ちを伝えたい場合は手書きがおすすめです。
文字の上手下手よりも、「自分の手で書いた温かみ」が伝わります。
ただし、枚数が多い場合やビジネス用では印刷でも失礼にはあたりません。
印刷+ひとこと手書きの組み合わせが、最も印象が良いバランスです。
| 方法 | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| 手書き | 温かみがあり、親しい相手に最適 | ★★★★★ |
| 印刷 | 多人数への送付に便利 | ★★★★☆ |
| 印刷+手書きひとこと | 丁寧さと効率の両立 | ★★★★★ |
最後に、封筒やはがきの書き方も意識しましょう。
宛名は縦書きが一般的で、住所・氏名はていねいに書くと印象がぐっと良くなります。
形式を守りながらも、心を込めて書くことが一番のマナーです。
寒中見舞いのハガキ・デザイン選びのコツ
寒中見舞いは、文章の内容だけでなくデザインにも心を配ることで、より印象的な一枚になります。
ここでは、ハガキの種類やデザインの選び方、写真入りや自作デザインを作る際の注意点を紹介します。
シンプルで上品なデザインを選ぶことが、寒中見舞いを美しく仕上げるコツです。
市販・ネット印刷・自作のメリット比較
寒中見舞いのハガキは、文具店で購入する市販タイプ、ネット印刷サービスを使うタイプ、自分で作成するタイプなどがあります。
それぞれに特徴とメリットがあるため、目的に合わせて選びましょう。
| タイプ | 特徴 | おすすめの人 |
|---|---|---|
| 市販タイプ | すぐに使えて、種類も豊富 | 少ない枚数を手軽に送りたい人 |
| ネット印刷 | プロ品質でデザイン性が高い | 多くの相手にまとめて送りたい人 |
| 自作タイプ | 自由にデザインでき、個性が出せる | オリジナリティを重視したい人 |
市販の寒中見舞いは、落ち着いた和風柄や淡い色の花柄などが定番です。
ネット印刷ではテンプレートを選んで簡単に作成できるため、忙しい人にも便利です。
自作する場合は、派手すぎるデザインや濃い色使いは避けるのがポイントです。
写真入りやおしゃれデザインを選ぶ時の注意点
最近では、写真を使った寒中見舞いも人気です。
ただし、写真入りの場合は「お祝いの印象」が強くなりやすいため、構図や色合いに注意が必要です。
例えば、風景や自然の写真を使うと季節感が出て、落ち着いた印象になります。
| デザインタイプ | 印象 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| 風景(雪景色・梅など) | 落ち着いて上品 | ★★★★★ |
| 花や植物(椿・南天など) | 柔らかく優しい印象 | ★★★★★ |
| 家族写真や集合写真 | ややカジュアルで親しい方向け | ★★★☆☆ |
ビジネス相手や年配の方に送る場合は、風景や植物モチーフなど控えめなデザインを選ぶのがおすすめです。
親しい友人や家族に送る場合は、少し明るめの色使いでも構いません。
全体のトーンを統一すると、上品で心に残る一枚になります。
また、紙質にもこだわると、手に取ったときの印象が大きく変わります。
マットな質感の紙は落ち着いた雰囲気に、光沢のある紙はすっきりと現代的な印象に仕上がります。
| 紙の種類 | 特徴 |
|---|---|
| マット紙 | 落ち着いた印象で、筆記にも向く |
| 光沢紙 | 印刷が鮮やかで写真向き |
| 和紙風 | 高級感があり、フォーマルに最適 |
デザインと素材の両方に気を配ることで、相手に「丁寧に選んでくれた」と感じてもらえる寒中見舞いになります。
見た目の華やかさよりも、心のこもったバランスを大切にしましょう。
まとめ|寒中見舞いで丁寧に気持ちを伝えよう
ここまで、寒中見舞いの意味や書き方、そして例文やマナーについて紹介してきました。
最後に、年賀状を出し忘れたときにも安心して使える「気遣いの手紙」としての魅力を振り返ってみましょう。
寒中見舞いは、遅れてしまった挨拶を優しく包み込む、思いやりの文化です。
年賀状を出し忘れても誠意は伝わる
寒中見舞いを使えば、年賀状を出し忘れた場合でも、きちんとした形でご挨拶ができます。
「遅れてしまってすみません」という気持ちを、控えめに表現できるのが寒中見舞いの良さです。
たとえ日が経っていても、丁寧な文面で送ることで誠実さが伝わります。
| 状況 | 対応方法 |
|---|---|
| 年賀状を出し忘れた | 寒中見舞いで丁寧にお詫びと挨拶を添える |
| 松の内を過ぎてしまった | 「寒中お見舞い申し上げます」で始める |
| 立春を過ぎた | 「余寒見舞い」として出す |
相手に温かさが伝わる一言を添えるコツ
形式を守るだけでなく、最後の一言に心を込めると印象がぐっと良くなります。
「お変わりなくお過ごしでしょうか」や「穏やかな日々をお祈りいたします」といった柔らかい表現を添えるだけで、文面に温かみが加わります。
この“ひとこと”が、相手に自分の誠意を最も伝える部分です。
| おすすめの結び言葉 | 使う場面 |
|---|---|
| どうぞお体を大切にお過ごしください | 一般・親戚・友人向け |
| 今後ともよろしくお願い申し上げます | ビジネス向け |
| 穏やかな日々をお過ごしになれますように | 喪中の方への挨拶 |
寒中見舞いは、決して形式的なものではなく、相手を思うやさしさが伝わる手紙です。
どんな言葉を選ぶかに迷ったときは、相手の顔を思い浮かべながら書くと自然と伝わる文章になります。
“遅れても、丁寧に”──それが寒中見舞いの本質です。
寒い季節にこそ、あたたかい言葉で人とのつながりを深めていきましょう。



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